掲載日:2023.12.22
説明書で楽しむSWSキットの醍醐味
帝国海軍局地戦闘機 震電 その2
いよいよここ京都でも年末の寒波が襲来し、日中の気温も冬らしくなってきました。
SWS兄弟の皆さんのところはいかがでしょうか。 油断して風邪などひかないよう気をつけてくださいね。
さて前回に続き「震電」の工作も、今回は機銃の搭載からエンジンの搭載、そしてランディングギアから主翼や動翼まで一気に進めてゆきましょう。
奇妙な形態をした航空機とはいえ、空を飛ぶれっきとした戦闘機ですから、そこかしこに見える獰猛な性格は見どころ満載ともいえます。
「これさえあれば・・・・・」と、儚い期待を一身に背負ってSWSからキット化されたその狙いも含めて楽しんで頂ければ幸いです。
▋機銃の工作が始まります。
ここでも機銃本体に付属させる各パーツの位置と角度の指定が不明瞭であり、少なからず迷ってしまうことになります。うっかり接着を急いでしまい、完全に固まってしまうと、機体に装着するときに不具合、つまりそれぞれの機銃の軸芯がバラバラということになってしまいます。
ここは接着剤をごく少量、控えめにしておき、機銃を機体に装備するときに調整が効く様にしておく方がよいでしょう。
▋なんとか機銃も収まりました。 30ミリ機関銃が4挺! 当時の日本機には見られないすごい重武装です。これが同時発射されたら一体どの様な衝撃が返ってきたことやら。
▋給弾ベルトもこの通り。資料に基づいてできる限りの再現がなされています。
▋この震電という飛行機。 なにしろほとんど架空の存在故か、内部構造にはまともな資料も、また実機の写真も残されておらず、キットでもこの辺は曖昧なまま進行せざるを得ませんでした。
ここからが、震電最大の難関工作の始まりです
▋エンジン、コックピット、そして搭載機銃も載り、ここから一段と難しい工作が始まります。 いや、難しいと言うよりわかりにくいと言った方がピタリです。 くれぐれも仮組みに次ぐ仮組みを繰り返し、各部と全体の構成をつかんで工作を進めるのが肝心です。
▋説明書19ページ(右側)の中段、エンジンマウントパーツにご注目。
このパーツも、ここで完全に接着、そして固着させてしまうとエンジンを載せる時に角度や位置が正しくできない場合があります。 最小限の接着剤で仮止めくらいにして微調整が効く様にしておいてください。
▋主翼下面パーツと機体主要部分が正確に取り付けられるかの確認です。
ここでは、よほどのパーツ変形が無い限り、各部はピタリと合うはずですが、やはり何度も仮組みをして確認をしておく方が安全です。
無事にエンジンが載ります様に!
▋さあ、エンジンの搭載です。 ここがすんなり行けばこのキットへの評価も上がりますが、手こずると評価もガタ落ちしてしまいます。特にエンジンマウントパーツとエンジン本体が正確に、そしてそれが機体にしっかりと収まる様、時間をかけて工作を進めてください。
ここで「意外と簡単だった。」という人と「難しい工作で散々だった。」と、評価が二分するのは、急いだ人と、慎重な人との違いでしょうか。くれぐれも急がず慌てず慎重にお願いします。
▋エンジンマウントに注意。 そしてエンジン後部のラジエーター部分のカウリングも。
ここからさらに左右のオイルクーラーが搭載されます。また機体左右のフィレットがきれいに合うかどうかも確認が必要です。 この辺が一番面倒な仮組み工作といったところになります。 我慢に次ぐガマンですね。
さあ、これまでの工作の精度が試されます。
▋さて、ノーズコーンと機首カバー、そして機銃口のカバーパーツの工作です。
ここはそれぞれが正確に工作されていないと、隙間ができてしまいます。特にH-5、H-6の機銃カバーと機体 本体の間にそれが発生しますので、仮組みと微調整を繰り返してください。 またエンジンカウルやエアーインテークを胴体に合わせる場合も隙間に注意です。 胴体後部の上部カバーも同様、仮組みと各部の調整が必要です。
▋プロペラの接地破損を防ぐために異様に長いランディングギアは本機の特徴であり、また泣きどころでもありました。 同様、この模型でも同じこと、異様に長い脚柱はとにかく破損と強度に注意が必要です。
接着も十分に時間をかけて乾燥させ、強度を確保してください。 また取り付け角度も完成モデル図を参考に正確に取り付けてくださいね。
▋ここでは主脚収納時の補助カバーの取り付け位置が不明瞭で泣かされます。何度か試作を繰り返していると収まりがつくのですが、私の場合はかなりイライラしてしまいました。
改善策として、主脚を接着する前に補助カバーを正確に取り付ける加工をしておいてください。 これを逆にやると、主脚が邪魔になって難儀しますぞ。
▋黒色で成型されたランディングギアのパーツランナーです。
タイヤもプロペラも、当時の日本では何もかもが困窮する中で、良くぞこの様な航空機を構想し、設計し、そして戦闘機として最前線に投入しようと考えたものだと半ばあきれ、そして感心してしまいます。
ここまできたらもう先が見えましたね。
▋透明パーツも単発機ゆえに最小となっています。(塗装用のマスクシートも付属しています。)
風防の内部前面には防弾ガラスパーツも見え、さすがにこの時期になると日本機にも防弾が施されていたことが伺えます。 また計器板も透明パーツなので後部から光が入り、計器に細かい塗装で見栄えとするものができますね。
少し奇妙で奇怪な姿ではありますが・・・・。
胴体パーツを確認してみましょう。
空を飛ぶための各パーツの工作と、それらを取り付けて完成です。
▋ここまで来ると、もう後はなだらかな平原を疾走あるのみ。 いつも通り、パーツを合わせ正確な位置に、そして角度を合わせて組み込んでゆきます。
これが本当に空に浮かび、空中機動をしたのだろうか。と、思わず頭をひねってしまうその奇体に、今では愛情ならぬ親近感の様なものが芽生え始めませんか。
▋そして帝国海軍機の正式塗装「暗緑色に日の丸」で完成となります。
各部の塗装も実戦配備がされなかったために、想像の域を出ませんが、できる限り当時の海軍戦闘機の基準に沿った塗装説明といたしました。
とうとう、ここまできました。
素組みによる完成ですが、これぞ震電ですね!
お疲れ様でした~~~
今から10年前に発売となった
SWSキットの第一号作品とは申せ、つたないパーツ構成にモールド表現、そして馴れないところから来る不明瞭な工作説明書などが重なって、このキットを製作されたモデラーには大変苦労をおかけいたしました。
でも、こうしてなんとか完成させてみると、なかなかどうしてこの震電という航空機のユニークな存在感が迫ってきませんか。
敗色濃厚という中にあって、当時の日本の航空機産業界の苦悩と焦燥感をものともしないこの潔さともいえる大胆なその姿に感銘を覚えるのは私だけではないことを信じたいと思います。
ブログをご覧いただき、ありがとうございました。
そしていよいよ、帝国陸軍機ファンのお待ちかね、
SWS1/32「五式戦」が開発の最終段階に入りました。
来年早々には試作第一号が協力工場から到着の予定です。ここから大きな事件や災害が無く、開発が順調に作業が進めば・・・・・・。 いやいやいつも通り油断は禁物ですね。
ともあれ
「これさえあれば!」と、前線で苦悩する陸軍航空隊のパイロット達から歓呼の声で迎えられた日本陸軍最後の戦闘機の登場を期待してお待ちくださいね。すごいキット内容ですよ!
もう一つ!
目下、順調に開発が進むは、あの幻の戦闘機がなんと「複座型」になって! です!
「それってほんまかいな?!」と、私も思わず目を擦ってしまうユニークなキットが本気で進行しています。 まだ機種名は明かせませんが・・・・。鋭いあなたならもう!!
まだある!
いよいよ、かつて私の妻の肝煎りで開発が進行したというあの超有名機が新規の完全設計で実現しますぞ。 まだ少し先になりますので今はシルエットでしかお見せできませんが、これで航空機のコレクションモデルに開いた大きな穴が素敵なピースでまた一つ埋め合わせられる日が近づいておりますぞ!! 危うしルフトバッフェ!!
まだある!!
パイロットを目指す者が必ず搭乗するという練習機の中でも、私が最も欲しいと思うあの機体がついに実現します! しかもA型からD型の4タイプまでを1/32スケールでの勢揃いですから、もう興奮のあまり寝ることもできないという有り様です。欲しい~~~~~デス!!
まだある!!
って、このまま調子に乗っているとこのブログに中止勧告が来るかもしれませんのでこの辺で終了いたしますが、SWSはあなたの夢を必ず実現致しますのでこれからもどうか注目して続報を楽しみにしていてくださいね。
そして今日は12月の22日。 もうすぐ新年がやってきます!
来る2024年が皆様にとって良い年でありますよう、日本の京都よりお祈りいたしております。
くれぐれもお身体を大切に、それでは皆さん次のこのブログでお目にかかりましょう。
造形村 代表
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