オヤジブログNo.121 - 説明書で楽しむSWSキットの醍醐味その第二弾!!
掲載日:2022.08.19

説明書で楽しむSWSキットの醍醐味その第二弾!!
日本帝国海軍局地戦闘機 雷電(J2M3 21型)
帝都東京の空は我ら雷電が一撃離脱戦法で護り抜く!

 ここ日本では、連日のように各地からの豪雨被害が報じられ、京都でも毎日うっとおしい曇り空が続いていますが世界中のSWS兄弟の皆様にはお変わりないでしょうか。

 また同様、日本全国では依然としてコロナウイルスの感染が続いております。
直近の報道によればなんとその数が一日で20万人を超える日もあるという不気味な状況にまだまだ気が抜けない日々が続いております。
 どうかSWS兄弟の皆様に置かれましても、くれぐれもコロナウイルスの感染には注意をしていただき、健康で充実した毎日を送っていただけますようお願いいたします。

 さて、そんな気分を吹き飛ばすべく、今回のブログでは日本帝国海軍局地戦闘機 雷電の説明書を開き、皆さんと共にSWSキットによる旧日本海軍機の復元を楽しんで参ることといたしましょう。
 ただ、おかげさまでこのSWS1/32雷電のキットもいよいよその在庫が少なくなってきました。
 このブログをご覧いただいた後、雷電という日本軍機に興味と関心が出来、あなたのコレクションに加えてみようと思われましたならば、どうぞお早めにお近くのボークス店舗またはボークス公式ホビーオンラインストアにご注文をいただきますようお願いいたします。


雷電こそ日本海軍機最後の戦闘機として
帝都の守りを貫き通した侍戦闘機そのものです!

 まずは雷電の心臓「火星23型甲」エンジンから工作が始まります。が、その前には例によってこの類まれなる迎撃戦を目的とした局地戦闘機 雷電 のあらましとキット開発における設計コンセプトの解説にもどうか目を留めてください。
一撃離脱戦法に徹するがゆえに高出力の火星エンジンの直径ギリギリにまで絞り込んだ独特の外観形状が当時の日本海軍機の置かれた現実と限界を表現するかのようです。  また雷電は、空力性能をギリギリまで詰めた先進的な設計がかえって仇となり、当時の劣悪な工作機械と機体の製造工場や環境、その他各部隊への増援や配給、そして整備体制など、戦場現場とのギャップが大きく、事故が多発する別名「殺人機」と呼ばれるほどの難物戦闘機でもあったようです。
 ただ、昭和19年から20年という戦争末期の段階において、米重爆撃機B-29に正面から立ち向かえる単座戦闘機はこれ以外他には無く、ただ一人日本海軍戦闘機の代表として1945年8月15日、終戦のその日まで迎撃戦に活躍し続けました。
上昇力一本に賭けたずんぐりとした外観に、高出力のエンジンと破壊力のある20ミリ機関銃4挺という、米重爆撃機をも一撃で仕留めることができるという闘志を秘めた戦闘機がこの雷電という戦闘機の姿であり、日本海軍機の大きな魅力の一つです。

▋さてさて、雷電キットの箱を開けるとぎっしりのパーツ群と、この旧海軍風に設えられた組立説明書、デカール、そしてキャノピーへの塗装ガイドシールが出てきます。まずはランナーがAからKまで11枚が揃っているか確かめてください。

▋ページをめくると、日本帝国海軍戦闘機「雷電」のあらましと、搭載エンジン、武装の機関銃の解説が見えます。またこのキットのデカールを使用して、日本海軍戦闘機中 最も派手な塗装として有名な佐世保航空隊第352分隊長「青木義博」中尉機と、第302航空隊第2分隊長「伊藤 進」大尉機を再現することが出来ます。

▋そしてこのページにはSWS「雷電」キットの開発意図と、そのキット化について造形村が重要視してきた開発要素が解説されています。あなたの「雷電」へのイメージと豊富な学識の一部に加えていただければ幸いです。
 また最下段にはエンジンから最終組み立てまでの全工程が示されていて、いよいよ日本海軍戦闘機「雷電」への探求が始まります。


速く!もっと速く!!

 当時の日本海軍戦闘機において最速の上昇力を誇った雷電も、日本の上空高く吹くジェット気流をものともせずに襲来するB-29に対しては優位な位置に遭遇することもままならない現実があり、各雷電部隊からは一層の性能向上が求め続けられていました。
 SWSキットの雷電21型に搭載されていた三菱 火星23甲型エンジンを見てみましょう。
離昇出力1820hpを発揮するとはいえ、直径1.34mもの大口径の空冷エンジンであり、雷電完成への苦悩の道は、正にその克服から始まりました。

 SWSキットではこの火星23甲型エンジンの外形から給排気、各補器やカウルフラップ、そしてエンジン架の詳細まで、その構造や魅力を余すところ無く再現しています。
 あなたに残された工作は電気配線など、まだまだ手を入れるところがいっぱいありますね。

▋さあ~日本海軍航空隊の期待を一身に背負った「火星エンジン」の組み立てに入りましょう。
ここは図の通りに粛々と、そしてサクサクと工作は進みます。ただ、図の左端のみを見ていきなり部品の接着はNGですぞ。まずはパーツを図のような順に一旦並べ、その上で図の右側に示された接着位置をしっかり確かめてください。 これで間違いなし! と確認してから「流し込みタイプ」の接着剤で接着実行です。
 若干の注意が必要なのはCのプロペラシャフトの回転保持でしょうか。
またDの排気管の装備も同様。Eの防炎カバーとエンジンマウントも図、右側の解説を確認することが重要です。 ここで失敗すると、SWSキットへの評価は最悪点となってしまいます。確認、納得、すんなり正解で工作が進むと評価は最高点に達するのですから、あなたの指とその工作を見守る私もはらはらドキドキです。 がんばれ~~~~っ兄弟!

▋さあ! 火星エンジン最大の難所にさしかかりましたぞ。 SWSをなめてはいけませぬ。
特に注意が必要なのはHのカウルフラップピンの工作部分です。 なんと部品D-23達を指で圧迫して防火壁の穴に通せ!という指の太い私達に対してアクロバットのような工作が要求されています。
ここはまず、泣く泣くあなたの何もかもが散らばり放題の工作台の清掃から始めるか、広く見通しの良い、かつ邪魔の入らぬ場所に工作場を移して、にっくきこの小物パーツがどこへ飛んでも、即救助隊が出動できるようにしてからの工作をおすすめいたします。
 でないと、私のように「ピン!」という心地よい音とともに一時間もの貴重な時間を、こいつが逃亡した2時の方向への大捜索(大掃除)を余儀なくされます。 間違っても我が捜索隊の不首尾にて、このDランナーのみをパーツ請求しなければならないなんて悲劇にはしないでくだされい。
 おっと!B-34パーツも上下を間違いなく。 接着後はこれを支持台に、エンジンの重量にてしっかり固定、乾燥させてください。 しつこいようですが、右図を参考に~~!!

▋ここまでの工作ご苦労さまでした。あなたにも貧乏な日本海軍の現実がひしひしと迫って来たことでしょう。 なにしろゼロ戦の設計で有名な「堀越技師チーム」が渾身の努力を傾注して開発設計にあたったとはいえ、最適最高なエンジンが存在しないという如何ともし難い現実は長く終戦まで尾を引いてゆきます。
 でもこの「雷電」がことB-29の大編隊に遭遇するや、その性能を最大限に発揮して一矢報いる闘いを展開したのですから溜飲も下がろうと言うものです。
 今はもう、遥かに遠くなってしまったあの空の一角で、生死をかけた闘いに身を置いた、互いの航空隊員に思いを馳せる時、鎮魂と感謝の念でいっぱいです。

▋見よ!完成成った「火星23甲エンジン」です。 素組みでも一見複雑そうに見えますが、更にパイピングを施こそうと企画実行するあなたはエライ!
南方戦線はジャングル上空での作戦を想定したか、機体上面暗緑色ばかりという地味な塗装の日本海軍機にとって、詳細な工作が施されたエンジンは大きな見せ場となります。
 健闘を祈ります~~~

 さて今回のブログはここまでです。次回はコックピットの工作に入ってゆきましょう。
それまでしばし、あなたの在庫の中にもしもSWS雷電キットが存在するならば、どうかそれを肴に1945年の夏、あの厚木上空を一直線に上昇してゆく迎撃機雷電の姿を想像し、思いを巡らせてみてはいかがでしょう。


ありがとう~~~ビルさん! SWS兄弟に乾杯~~~~!!

私の元にUSAのビルさんという「SWSファン」の方から嬉しいメールが届きました!
 ご本人からの承諾をいただきましたので、皆様にも見ていただきたくご披露させていただきます。
しかもビルさん、初のSWSキットへの挑戦がなんとこの32「雷電」ですぞ!!
 SWSキットがビルさんのホビーライフとそのシーンに大きな足跡と喜びをもたらしてくれたことを知り、心からの拍手と感謝の気持ちを贈りたいと思います。

 そしてこのビルさん! その上「Hs 129」に「屠龍」に「震電」までコレクションとは!!
いやはやもう御礼の言葉しかありませ~~~ん~~~~~!! ありがとう~~

重田様へ

今年の春頃にコロナに感染してしまい、闘病の間にIPMS/USAジャーナル誌掲載の
重田様が書いた記事を拝読しました。
→ 詳細はこちら(オヤジブログNo.112)

私は1986年に大人になって以来、ずっとスケールホビーを続けてきた64歳のモデラ―です。
自動車や戦車を作りますし、飛行機模型も作っています。
前からSWSのキットのことを知ってましたが、
正直に言いますと、興味があまりありませんでした。
SWSキットの機種がなぜキット化されたのかよくわかりませんでしたし、
組立のフィットもあまり良くないかなと思いこんでいました。

しかし、記事を読んでから私の考えが変わりました。
重田様の創業ストーリーをとても楽しく読みました。記事を書いてくださって感謝しております。
コロナから回復したら、必ず貴社のキットを購入し、組み立ててみようと決意しました。

それで、その初キットは1/32の雷電です。
数えきれないタミヤなどの他メーカーのキットを作ってきたのですが、
組立を始める前からここまで感動したのは、このSWSキットが初めてです。
注文した商品を丁寧に梱包してくれたボークスUSAの対応は素晴らしかったです。
しかも、開封して説明書を読み始めると、さらに感動しました。

複葉機を作ったことはなかったのですが、ウィングナットウィングスのキットが話題になっていたので、
自分の目でも見たいと思い、2年前に1キット購入してみました。
クオリティが高く、これはいつか組み立ててみたいと思うほどでしたが、
SWSキットの高品質も同じレベルだと思っています。

造形村のキットはまるでウィングナットウィングスが
第一次大戦後の戦闘機をキット化したような出来栄えであると友達に説明してます。

SWSキットの説明書の内容も素晴らしくて、キットは何週間も前に完成したのに
終わった後でも説明書を読んでしまいます!

SWSキットは説明書を参考にしながら作れる、いや、作らないといけないと思っています。
スケールモデルではかなり珍しいことかと思います。
パーツの嵌合と細部までの再現もお見事です。
キットが届いた初日から魅了され、とても勉強になりました。
模型組立をここまで楽しめたのも初めてです。
まさかタミヤを超えるキットに出逢えるなんて思ってもみませんでしたが
SWSキットに出逢ってしまいました。

先日他社メーカーのキットを作り始めたのですが
途中で箱を閉めて、造形村のHs 129を作り始めました。
雷電よりさらに出来が良く、わくわくが止まりません。

胴体を完了したところで、もうすぐ塗装を始めようと思います。
これからは可能な限り多くのSWSキットを作ろうと考えています。
屠龍は入手済みで、震電も予約しました。
重田様のおかげで、私はもう完全にSWS信者になってしまい、
周りの友達にもSWSを勧めたいと思っています。

ご尽力をいただきありがとうございました。
次の新商品と共に、素晴らしい震電の再販も楽しみにしています。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

ビル・ホートン(アメリカ・コネティカット州)
Bill Horton


Dear Mr Shigeta:

Earlier this spring I was sick with the Covid virus, and when I was ill I read the article you wrote for the IPMS journal. I am a 64 year old modeler who has been modeling as an adult since 1986; I build cars and armor as well as airplanes. I had heard of your products but they held no interest for me; I didn't understand why you produced these kits and I didn't think they would fit very well. Reading that article changed my mind; I really enjoyed your sharing your story, and I thank you for doing so. I decided that once I recovered that I'd give you a try and get one of your kits.

That kit was the Raiden in 1/32. I have never been so impressed with an unbuilt kit in my life, and I have built hundreds of Tamiya kits in addition to many others. Volks USA did a great job; my kit was wrapped in bubble wrap and tissue paper, and once I opened it up and got to the instruction book it got even better.

I've not built any biplanes but I did buy one Wingnut Wings kit just to own one and see what everyone was talking about. I bought it about 2 years ago. I was delighted with it (and may even build it someday) but I felt your kit was up to the same level of excellence as theirs. I've described Zoukei Mura to friends as WNW for post WWI airplanes. I couldn't stop reading the instruction book! I finished the kit a few weeks ago. Your kits can/should be built by following the instruction book, which is a rare thing by itself. The fit and detail are both amazing. It was fascinating, and educational, from the day I received it. And I have never had so much fun building a model kit! I never thought I'd find anyone that could top a Tamiya kit, but I have, and that is you.

Anyhow, I started another manufacturer's kit but put it back in the box, and I'm working on my ZM Hs129, which of course puts the Raiden to shame with the detail it has. I'm thrilled with it. I've finished almost the entire airframe and will start the painting process shortly. I plan on building most, if not all, of the planes in your series. I already have the Toryu and have pre-ordered the Shinden. You have converted me and made me one of the faithful, and I promise to tell all my friends about what you have done.

Thank you so very much for your efforts. I cannot wait to see what comes next, and I also look forward to the reissue of the Shinden, which is such a fascinating airplane.

My regards,
Bill Horton

おおお~~~素晴らしいいい~~~!!
これぞビルさんの手による、SWS1/32 「スカイレイダー」の完成作品じゃ!
どっしりと構えたA-1の迫力とその存在感が見事に再現されています。
凄腕がきらめくアメリカのモデラーの腕前とそのセンスに拍手です!!

このビルさんからのメールがどれほど私達造形村のSWSキットの開発チームにとって励ましになったか、それはもう言葉にならないほどの嬉しさです。

「 航空機のスケールモデルキットを作ってみたい。 」

10年前にその小さな夢が実現した瞬間から、数え切れないほどたくさんの皆さんから声援や共感のメッセージをいただいて参りました。

SWSキット開発チームを代表して心からの御礼と感謝を申し上げます。

これからもSWS兄弟の笑顔と喜びの声を胸に、さらに素晴らしいキットを届けてゆくんだ!
と、私も開発チームもメラメラと闘志を燃やし続けています!!

どうかSWS兄弟のみなさんが健やかな毎日を過ごされていますように。

造形村 代表 重田英行


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