さわやかな秋の風が心地良い今日この頃……?
と、言いたいところなのですが、どうしたことでしょうこの暑さは!!
もう10月の半ばというのに、連日、摂氏30度という異常な気温が続いています。
しかもこのブログ原稿を書いている今、正に大型の台風26号が昨夜から日本列島に襲いかかっています。10年ぶりの巨大さというその強風と豪雨に、またもや各地に甚大な被害が出ている模様です。
台風の進路に当たっている地域の皆様、どうか十分な安全対策をして防災に努めてくださいね。
さて3回にわたりお伝えして参りましたIPMSコロラドの参加報告記もいよいよ最終回を向かえました。
今回は目次の通り、コンテスト風景に、スミソニアン航空博物館の実機取材の様子までをお伝えいたします。
また、来月11月には英国にて開催されるIPMSテルフォードの案内もさせていただきます。
どうかホビーシーズン真っ盛り、秋の夜長のひとときをおつきあいください。
次期SWSキットのパッケージアートを担当していただく事になったイラストレーターのデニスさんから「良かったら自宅に来ないか?」と思いがけないお誘いをいただきました。
行きますとも! 一流イラストレーターの作業場を見られるチャンスなどそうめったにあるものではありません。
ここは全ての予定を変更してでも訪問させていただきましょう。
しかも自宅まで、この会場から車で約1時間の距離というではありませんか。
さてさて、いったいどんなところでSWSキットのパッケージアートが描かれているのやら。
IPMS閉会の翌日、我々SWS開発チームの6名はうきうきしながらデニスさんのご自宅に向かったのです。
閑静な住宅街の中にデニスさんの美しいご自宅がありました。ガレージには我がニッサンのSUV車と独メルセデスが!! 玄関脇の大きなもみの木の前で記念撮影です。 |
ここがデニスさんのコレクション部屋だ! |
ほらほらここがデニスさんの仕事場です! |
「こんなのもあるよ。まだまだあるよ。」と、ばかり続々と机の中から凄いイラストが出現です。しかもどれもみな欲しいものばかりです。繊細な中にも大胆な力みなぎるデニスさんのイラストが、SWSキットのパッケージを飾る日も遠くはありません。どうぞその日をお楽しみに!! |
実は会場でデニスさんから「沢山の大戦機を飛行可能な状態にする会社を経営して来たダレルさんを紹介しましょう。」と紹介された人がダレルさんその人でした。
なんとWWIIに活躍していた大戦機を中心に、沢山の機体をレストアして、実際に飛行できる状態にするという会社を経営しておられたそうです。
いやはや日本では想像も付かない楽しいことを仕事にしている人ではないですか。
しかもそれを企業として経営してきた! なんともはやうらやましい事ではあります。
はるばる日本から、ここコロラドのIPMS会場に来ている私達のことをデニスさんの話から知り、わざわざ会場まで奥様とご一緒に、会社の資料まで持参して尋ねて来てくださいました。
お目にかかった会場の、雑踏ざわめく中での話でも、この人の凄さは拝見する資料からもビンビン伝わってきます。
P-51A、D、P-38、T-6など有名機を始め、手がけた仕事の中には日本機までが!
なんとあの零戦32型も空を飛ぶ状態に復元したそうです。
太平洋に浮かぶ小さな孤島の日本軍飛行場に残骸を晒していたボロボロの32型を、パーツの一つずつを丁寧に手作りで再現。ついには空を飛ぶまでに復元したという、その一連の記録写真は正に圧巻の一言です!
そしてこの人も「良かったらまだまだ見せたい資料が自宅に山のようにあるから来てみないか」とお誘いいただいたのです。
行きますとも! 実機の、しかも大戦機を空が飛べるまでに復元する会社の経営者の話など滅多に聞けるものではありません。
聞けばデニスさんのご自宅からは車で約1時間の距離とのこと。
思いがけないコロラドでの思い出、いや収穫が出来そうと、チームメンバー6人は勇んでダレルさんのご自宅にも出かけて行くのでありました。
ダレルさんのお宅の前で記念撮影! |
こちらはダレルさんのご自宅の居間に通されたSWSチームの面々だ。なんとこの豪快な居間の一部はダレルさん自身が手作りをしたのだとか! |
なんと! 通された奥の部屋には!!仕事場兼コレクションがズラリ! と並んでいます。写真に資料、機体パーツからプロペラまで、足の踏み場もないくらいにぎっしりです。しかも良く整理されていますぞ。ダレルさん!! |
ダレルさんはこの世界では相当な有名人と見えて、沢山の本や映像にも出演されているそうな。それを楽しそうに見せては説明をしてくださいました。 |
本棚を埋め尽くす資料(実機マニュアルが多数)や写真。 |
なんと!SWSキットをご自分のWebサイト上で積極的に紹介してくださるサイバーモデラーのマイクさんがZMブースに来場です! 始めてお目にかかったとは思えないほどフレンドリーなマイクさんです。どうぞこれからもSWSキットをよろしく!! |
そしてマイクさんの愛車は、我が開発チームのNの恋い焦がれるジープです! |
なんと! これは嬉しい!! |
これが当時の注文書だ!? |
「おっ!! これは珍しい!!」 そうです。手作りのナイフホルダーを持参して参加されたのはフィリップさん。 |
さあ、ここからはいよいよIPMSのメインイベント、コンテスト風景のご報告です。
特別に設えられた広大な会場には、なんと参加出展者数で2,000人とか!
コンテストへの参加作品点数では3,000点に迫る秀作、力作が集まったそうですから驚きです!
なんともはや、実際に自分の目で見た人にしか判らない、正に壮大なコンテストの規模ではないですか!
陸海空の本格派から、SF物にアニメフィギュアまで、言葉も出ないくらいの素晴らしい作品達が、大会場にところ狭しと集まってコンテストが開催されます。
ただ私自身は、余りにも造形村ブースへの来場者が多く、その忙しさに負けてゆっくりコンテスト会場を見て回る余裕が無かったのが正直なところです。
本来なら、隅から隅まで写真を撮って、その全てをここでご紹介いたしたいのですが、スペースの関係からほんの一部のご紹介といたします。
今度はぜひ一度、本場アメリカのIPMS会場までご自身で足を運ばれる事を強くお薦めいたします。
模型趣味の深さと、その楽しさが会場中に充満したその有様に、きっとあなたのモデラー人生にとって、忘れられない一生の思い出となることでしょう。
おっ!良いぞ!! |
おっとこちらはMe110のディオラマ作品だ! |
こちらはシェーンさんの作品の前で、本人とばったり再開! このA-1Hが優勝の栄誉を勝ち取りました。 |
おお~っ! SWS震電ではないですか! しかもバッチリ暗緑色をまとった日本海軍機を再現されています。うまいぞ! |
そしてここにはSWS Ta152も!! |
ここにはなんと「イ-400潜水艦」まで!! しかも上甲板のカタパルト上には搭載してきた晴嵐の発進シーンまで!! |
そしてこれは!そう!あのデニスさんのゴータではありませんか! 何を隠そう、デニスさんはまた、凄腕のモデラーでもあったのです。 |
これは・・・・・・?? |
一足早く日本に帰国した私でしたが、SWS開発チームの仕事はまだまだ終わりません。
そう、あの例の機体の実機取材という大仕事が残っているのです。
今回もまた、スミソニアン航空博物館のご好意により、念願のあの機体を隅々まで存分に取材できるという許可が降りました。
さてさて皆様おまちかねのあの機体が、どこまで実機に近づけてSWSキットとして再現が出来るのか、チーム全員が渾身の思いと体力の続く限りの取材をして参りました。
これら取材中の写真をひと目見れば、もうあなたにはそれが何の機体か全てお判りになることでしょうが、物事には意外な展開というものがつきものですぞ。
これら人類の財産とも呼べる航空機を、SWSならどのような内容の模型キットとしてこの世に送り出してくるものやら!
ホビー世界の革命児たるその誕生をどうかご注目の上、楽しみにお待ちくださいますよう、お願いいたします。
早く欲しい!? 私もデ~~~~ス!!!
さあ!例によって、機体に傷を付けずに存分に取材が出来るよう、SWS開発チームの最初の仕事は「取材着への着替え」から始まるのです。靴も専用のデッキシューズに履き替えますぞ。 |
まずは○w-○9○のランディングギアまわりから・・・・。さあ開館から閉館までぶっ通しの一日の始まりです。でも楽しそうに見えるのは、あなたの気のせいですぞ。 |
そしてこちらはプロペラスピンナー周辺に集中。この子はまだ単発小型機なので低い脚立でなんとか機首まで届きます。それがあの子になったら、もうとても並みの脚立では・・・。でもそこをやりきるのがSWSチームのど根性ですぞ。 |
こちらは特別許可となったプロペラの曲面取材。マスキングテープを均等感覚に貼り付け、実機取材ならではの本物のプロペラの実態を明らかにしてゆきます。 |
ゲージ付きのテープでしっかりとした外形、断面、平面形、そしてひねり具合を計測確認する開発チームのチーフN。その真剣そのものの働きは、どこか日本の古武士の雰囲気を彷彿とさせる。今までもこうしてSWSの見どころはとことんまで煮詰められてきたのです。 |
同じくNによるプロペラスピンナーの外形を詳細に計測する図。開発の基本とする各種の図面は英国のベントレー氏の手によるものを使用だが、こうして実機からの直接計測したデータとその感触などがキット化への何よりの自信と確信となります。 |
主輪タイヤの外形、断面、直径などもこうして計測します。その結果、意外に大きかったり、また反対に小さかったり、新発見の連続です。 |
この子は有名な大型の双発機。相当な大柄なので、まずはこうして寝転がっての撮影から開始です。SWSの開発ならではの正面突破そのものの取材風景と言えるでしょうか。 |
こちらでは後部エンジンの取材が始まりました。 |
前部エンジンカバーの開放もこの通り。復元機とはいえ、現存する唯一の機体からの取材は実に貴重な物です。 |
どうだ! 前後の異なる形状のプロペラもこの通り徹底取材です。その外形、断面、平面そしてひねりの具合まで、私の指示通りに取材。そしてSWS再現に進みます。 |
開発チームの余りの熱心さに、博物館のメンバーさん達もお手伝い? それとも「ここは外すなよ。」と言う親心でしょうか。今回もまた本当にお世話になりました。 |
たまらず、記録係のKもラジエーターのハッチ内部をパチリ! 正にこの子、70年も以前の大戦機のそれとは到底思えないほどのメカニズムをぎっしりと搭載。 |
スミソニアン航空博物館の取材風景はいかがでしたでしょう。 ここにはまだまだSWSで再現したい貴重な機体が館内いっぱいに保管展示されています。 ここに改めて感謝を申しあげます。ありがとうございます。
私には、そんなあなたの気持ちが良く判ります。 まだまだSWSの開発には様々な困難や難関が待ち構えています。 でも、ゆけるところまで私は行ってみたいと思います。 まだ一機もSWSキットを作った事が無いあなたにそれをお届け出来る、その嬉しい日が到来するまで。 |
さて、博物館の実機取材の様子はいかがでしたでしょうか。
SWSとして、予想通りの機体が開発されていると思われましたか?
それとも意外な機体の開発だったでしょうか?
そうです。どれもこれも欲しい物ばかり!
正にあなたの夢は私の夢と言う事がお判りいただけたでしょうか。
今回の取材機種の正確な回答は、来る11月9・10日。英国テルフォードにおいて開催されるIPMS会場、造形村ブースにてパッケージイラストのお披露目という形で御案内いたす予定です。
え?その機種名はもう判っている。 ・・・・・・ですって?
そうでしょう、そうでしょう。
でもそれがまたどんな素晴らしいイラストに描かれているのかもモデラーの楽しみでもありませんか?
ぜひその出来映えも楽しみに、造形村ブースにお越しくださいね。
また、当日の混乱を避けるために、造形村がテルフォードの会場用として準備し、発送しておりましたSWSキットやアフターパーツの内から、なんと早くも売り切れる物が出始めましたことを、深くお詫び申しあげます。
これらの商品や荷物は、開催日の約2ヶ月前に日本から出荷をしなければならなかったのです。
慎重に予想を立てて販売個数の準備をしたのですが、予約完売となる商品が続出してしまいました。
ただ、英国、その他ヨーロッパにはSWSキットを取り扱ってくださる販売店、「造形村フレンドショップ」があります。そちらの方でもお求めになれますので、ぜひご利用くださいますようお願いいたします。
3回に渡り、アメリカ コロラド州 デンバーにおいて開催されたIPMS参加をご報告して参りましたが今回にて終了となります。
次回のこのブログでは、中断をしておりましたSWS1/32雷電の工作案内を再開いたす予定です。
日本の空、いや帝都「東京の空」の守護神として、鬼神にも勝る活躍をした異色の戦闘機「雷電」がSWSで蘇ります。
どうか次回のこのブログまで楽しみにお待ちください。
造形村 代表 重田英行
お楽しみのSWSキットの次回作品には、一体どんな機体が実現するのか!??
あなたの想像力とその鋭い第六感で、どうぞSWSキットの第8弾の機種名を当てて下さい。
○の中に文字を入れて機種名を回答してください
クイズの解答先は下記宛先まで、郵送またはメールでどうぞ!
さあもうこれで判らない人は居なくなったことでしょう。
官製ハガキに住所・氏名を明記の上、ボークス本社までお送りください。
[送付先]機種名当てクイズ応募専用下記アドレスまで住所・氏名を明記の上お送りください。
宛先 : sws_quiz@zoukeimura.co.jp ※クイズ応募専用アドレスとなります。奮ってのご応募を開発チーム全員でお待ちしています。
作ってから見ても、作る前から見ても、そしてたとえ作らなくても楽しめてしまうSWS攻略本「雷電」がいよいよ最終の編集段階に入りました。
例によって、実機取材からキット開発、キットの製作手順解説に加え、お楽しみの凄腕モデラーによる製作レビュー記事まで、正に雷電が満載! 造形村ならではの充実内容でのお届けです。
今回は、その凄腕モデラー3人の仕事ぶりの一端を一足早く御覧頂きましょう。