Ta 152 H型は与圧式コックピットを持ち、高度8,000mから与圧が始まり、14,000m以上では外気との最大差圧0.23気圧が確保される。鋼鉄製フレームのキャノピーに覆われた武骨な外観とは裏腹に、室内の気圧調整や気密性など繊細な配慮がなされたコックピットは、超高高度でのパイロットの安全を確保する仕掛けが満載。まさに生命維持装置と言えよう。さらに、SWSキットではウインドシールド前面の70mm厚電熱ヒーター付き防弾ガラスの厚み表現や、側面の三角枠にある洗浄用燃料噴出管まで詳細に再現。それらを組み立てながら体感できるのがSWSキットの醍醐味だ。
長大かつ美しい翼と力強い両脚、これぞ高高度戦闘機最大の魅力だ!
Ta 152 H-0では燃料タンクは胴体内のみで、H-1となってから左翼内にガソリン・タンク2個と容量70Lの水・メタノール液タンク1個、右翼内にガソリン・タンク3個がそれぞれ追加された。そのため両機の違いは、長大な主翼表面のパネルラインを見れば一目瞭然。さらに、両機ではフラップ作動用油圧シリンダーの位置も異なるため、補助翼操舵機構の回転アーム・リンク位置も当然異なる。内部構造の違いから異なる外観構造を論理的に導き出すSWSの手法によって表現されたその翼は、超高高度から大地に降り立つ衝撃を受け止める頑丈な降着装置と合わせてTa 152の一番の見所とも言える。