掲載日:2022.09.02
説明書で楽しむSWSキットの醍醐味その第二弾!!
日本帝国海軍局地戦闘機 雷電(J2M3 21型)
帝都東京の空は我ら雷電が一撃離脱戦法で護り抜く!
さてSWSの「雷電」。今回は「操縦席」から「主翼」そして「胴体」まで一気に工作を進めて参りましょう。
中でも「操縦席」周辺は細かなパーツが多く、私のように指の太いモデラーには難行苦行の連続となります。 滑り止めのついたしなやかで、かつ細かな部品も正確に掴め、安定した工作ができるピンセットを用意してください。
私は、残念ながら今はもう亡くなられてしまった東京の小山工具さんが手作りで製作されていた先曲がりピンセット「造形村 Vピンセット(曲)」をもうかれこれ50年近くも愛用しています。
ステンレス製で絶妙なその使用感にいつも関心させられている一人です。
確か、まだ店頭には最終の在庫が存在していたように記憶していますので、興味のある方はお早めにボークス店舗またはボークス公式オンラインストアにてお求めください。
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このピンセットの先に、5ミリ程度の幅にマスキング剤を付けておくと滑り止めに絶大な効果があります。是非試してみてください。
▋さて、コックピット工作で最初となるC-60と59、そしてC-25のパイロットシートの基部ですが、ここはSWSの泣き所となっています。つまりスケール感を再現したいあまりにパーツがやたらと小さく、そして各部の接着面も極小のため、意外と工作に手間取ってしまいます。シートを付けてしまえば見えなくなるとはいえ、ここは我慢のしどころです。その他、しばらくは小さなパーツの接着が続きます。パーツは一度に全部をランナーから切り離さず、説明書でその位置と向きを確認しながら一つずつ階段を登るように切り出して工作を進めてください。
まさに千里の道も一歩からです。
▋3-2.D から 3-2.F までの工作で注意しなければならないのが、パーツの取付角度と方向です。何度も説明書と見比べて進めてください。 ここでの工作に狂いがあれば、コックピットと胴体を合体させる時、そしてそれを主翼に設置する時になって合体が出来ず大慌て、後の祭りとなってしまいます。
そんな場合でも、気を取り直してやり直し加工さえすれば片付きますのでご安心を。もちろん、ここが正確に工作されておれば、胴体、主翼への取り付けが驚くほど綺麗に決まります。願わくば、あなたの喝采の声が聞こえてきますように!
また特に計器盤 3-2.G「C-30」パーツは前後の間違いに注意です。これは後に防弾ガラスを設置するためのパーツとなりますので、接着部分となる上下のくぼみも確認して水平垂直に接着をしてください。(説明書の35ページ参照)
▋こうして完成した雷電のコックピットを眺める時、日本機には珍しいゆとりのある胴体サイズに改めて気付かされます。先日新発売と成ったSWS 32 Bf 109 G-14/U4のそれと比べてもいかにこの機体が大きな胴体断面を持っていたか、当時のパイロットも随分面食らったことでしょうね。
さあ続き、ここからは「主翼」の工作に入ってゆきましょう。
ここでも初期のSWSキット故の、設計者と金型製作者とのせめぎあいの結果があちこちに見られることにご注目ください。
それは32スケールという大型キットならではの見どころと、その反面に生じる増大する開発時間と予算との闘いの記録のようなものです。 私の希望は主翼や胴体のリブや隔壁の詳細まで全部を再現してほしいのですが、それをやってしまえばたちまち販売価格に反映されてセールスに悪影響が出る恐れがあるのです。
SWSキットならなんでもOKのあなたのような方ばかりなら良いのですが、価格の設定にはやはり敏感にならざるを得ません。
それだけにSWSキットを本当に購入、コレクションをしていただける皆様には感謝の言葉しかありません。 皆さんご購入ありがとう~~~!!
▋さあ主翼の工作です。ここは説明書の案内の通りに進めてゆけばカチ、カチと心地よい作業の連続です。 んがぁ、3-3.E の機銃の接着では泣かされます。
なんと、よく再現された機銃ではあるものの、その上下と肝心の接着位置が判然としないのですから困ってしまいます。
もうここは悩んでいても仕方がありません。 パーツを主翼の接着位置に指で抑えておき、主翼の反対側から見て、排莢口に機銃本体の排莢口を当てはめて接着位置を確かめて工作を進めてください。
そして給弾ための弾倉パーツが機銃本体にピタリと決まればそこが正解です。
いやはやこんなところで意外にも時間を取られてしまいました。 諸兄の皆様許されよ!
▋3-3.G では、F-22 F-20 F-3 の各パーツの角度に注意が必要です。正しく設置されればピタリと決まりますので、各パーツは一度に切り出さず、一つづつ正確に位置決めを行いながら、正確な位置を確認して流し込み接着剤にて固定させてください。
ちなみにこのブログの雷電では、機体の構造を見ていただくために、左主翼はスケルトンに工作を進めています。
それらせっかくの工作や塗装の努力も、完成後はほとんどが見えなくなってしまうのですが、その躍動感にあふれる機体構造の再現は完成後の作品を見る度に鮮やかに蘇ってきます。
手を抜かず頑張ってゆきましょう。
いよいよ胴体に主要構造物が搭載されて雷電がその姿を表し始めます。
特にこの工作では微妙な突起物を正確に指定の場所にはめ込む場面が出てきます。慌てないで何度もすり合わせを行ってください。ここで各部が合わないのはこれまでのどこかの段階で工作を間違えているなによりの証拠ですぞ。 また左右胴体や胴体下部の接着など、幾つかの工作場面では瞬間接着剤の特性を活かした位置決めや、強度保持も必要になります。
くれぐれも瞬間接着剤の使用は一発勝負になるということを念頭に置き、失敗とならないよう時間をかけてくださいね。
▋さあ、胴体まで進んできました。
いよいよエンジン、コックピット、そして胴体の構造物が一つになります。 ここまで先の各工作が正確に行われていれば、胴体と主翼にそれぞれがピタリと合体します。
まれにコックピットの下部に配置されたパーツなどが歪んでいて、それが挟まって合体を妨げる場合がありますので、合体作業を力任せに強くこじつけるのではなく、その原因を慎重に探ってみてください。
意外と小さな突起や細いパーツが挟まっていたりしていて苦笑してしまいますよ。
▋ランディングギアの工作です。こここそ、角度に注意が必要です。またブレーキパイプの取り付けも、左右で間違いが起こりやすいので、一つずつ正確な工作を行います。
3-5.F のカバーの設置も間違いやすいので慎重に。
雷電の主脚は正面と側面に微妙な取付角度があります。ここを正確に工作することで本機の性質を一層表現することが出来ます。
▋いよいよエンジン部分のハイライト、そして雷電の表情を決めるカウリングの工作です。
3-6.A は、エンジンを正面から見て D-16図にあるように窪み位置を確かめてはめ込みます。正確に工作がなされておればピタリと位置が決まります。
また 3-6.B の、F-13 A-20 F-12 の工作は F-13 と F-12 を正確に接着してから A-20 を接着します。接着面が極小のため、十分に乾燥させ強度を確保しておいてください。
その他のパーツは切り出しゲートを正確に綺麗に加工しておけば、ピタリと各位置に決まります。
さあ、ここまでの工作を確認しておきましょう。
さて足早に進行してきたSWS「雷電」の工作はここまでです。
次回は「最終艤装」の工作です。 キャノピーからエルロンやフラップ、その他最終工作に向け、細やかな艤装を行います。
もしもあなたの1/32コレクションの中に「零戦」の完成作品があるのなら、ぜひ一度この雷電と並べて見比べてみてください。
その余りの設計思想の異なりと、切迫する最前線からの要求が本機を出現させた原動力だったのだと改めて私達に知らしめてくれます。
ともあれ当時の日本海軍機が到達し得た究極の「局地戦闘機」、インターセプター雷電があなたのコレクションに加わることを節に祈らずにはおられません。
どうぞ次回、SWS雷電工作の最終回をお楽しみに!!
造形村 代表
もうすぐこのヘンシェルがあなたの元へ!!
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