オヤジブログNo.129 - 説明書で楽しむSWSキットの醍醐味: Fw 190編 秘訣その2 フォッケウルフ Fw 190 A-4 シュネル機の製作(コックピットの工作)
掲載日:2023.10.09

説明書で楽しむSWSキットの醍醐味:Fw 190編 秘訣その2
フォッケウルフ
Fw 190 A-4
シュネル機の製作(コックピットの工作)

 BMW 801エンジンが完成。続きこのキット見せ場の一つである「コックピット」の工作に入ってゆきましょう。
 工作に入る前に、まずはFw 190の実機のコックピットの設計について、このSWSキットを担当したデザイナーからの一言をご紹介しましょう。

Fw 190のコックピットに関して
Fw 190のコックピットのデザインは、A-4バージョンに特有の細部に集中していた。Fw 190のコックピットは、機体の修正や改良に伴って何度も変更された。計器盤のレイアウトなど大きな変更は明らかだが、小さな変更であることが非常に多く、設計チームの注目の的となった。

Fw 190の計器は2つのパネルに配置されている。上部の計器パネルには、方位コンパス、高度計、速度計、水平位置計、エンジン回転数、ブースト圧などの航法計器が配置されている。これらの計器を含むパネルの形状とレイアウトはA-4独自のものである。下部の計器パネルには、温度、燃料や潤滑油の内容量、呼吸装置などの機械的測定用の計器が収められている。この計器パネルはFw 190のすべてのバージョンでほとんど変更されていない。実機では、このパネルは機首機銃倉後部の「防火壁」に上部で固定されている。

しかし、他のモデルキットでは、このパネルがトップインパネに「接合」されていたり、サイドコンソールに固定された「浮いた」パーツとして表現されています。

が、SWSキットではこのインパネを初めて正しいレイアウトで再現しました。もうひとつ興味深いディティールは、下部インストルメントパネルの上部にある小さなレバーです。これは燃料タンクからウィンドスクリーンの前と横に配置されたパイプを通して送られる航空燃料の流れを制御するバルブである。このパイプには、パイロットの視界に影響を及ぼす可能性のある汚れや油の残留物を除去するために、ウィンドスクリーンに航空燃料を噴射する非常に小さな穴が一定間隔で開いている。

Fw 190は、現代の航空機でおなじみとなった方法でサイドコンソールを配置した最初の航空機である。当時の他の航空機のコックピットには、昔の船の操舵装置のようなあらゆる種類の車輪、チェーン、ケーブルなどがごちゃごちゃと備わっていたのに対し、、Fw 190のコックピットはすっきりとしており、シンプルで人間工学に基づいた操作系が配置されていた。

すべてがパイロットの仕事量を減らすことを目的としていた。例えば、Bf 109では尾翼の角度は座席の左にある大きなホイールで機械的に調整されていたが、Fw 190では2つのプッシュボタンだけで電気的に調整された。この2つのボタンの横にあるゲージが尾翼の角度を示していた。右のコンソールでは、サーキットブレーカーがスプリング式のカバーで保護され、誤った操作がないようになっていた。SWSキットを設計する際、設計チームはこれらすべての小さなディティールに特別な注意を払い、このスケールで初めてそれらを盛り込みました。

右のコックピットシルにある円盤(D-10)は、コックピットの敷居上部のレールに沿ってキャノピーを動かすクランク(取っ手)である。ディスクの横にはレバー(D-37)があり、これを押し下げると緊急時にキャノピーのレールが外れる。この円盤は過去に他のキットにも付属していたが、このレバーはSWSのキットにこのスケールで初めて付属した。SWSのFw 190キットはこのような些細なディティールが特徴です。

 以上。 いかがでしょう。
 SWSキットでは、このようにコックピットの再現、そしてその設計の段階においても、実に興味深い考察が繰り返されて、ひとつひとつが詳細なディティールやパーツ表現に反映されてゆきました。
 この他にもコックピットの再現ついて細かくあげればキリがないのですが、このFw 190では1/32スケールで、それこそ再現可能ぎりぎりのところにまで迫ったキットに仕上げることができました。
 もちろん、なんでもかんでも細かくすれば良いというものでもありません。野放図にそれをやれば、たちまち様々なコストアップに直結し、時間も大幅にかかってしまうことになります。最小のパーツ点数で最大の再現度を上げる。まさにデザイナーの腕の見せ所です。

▋工作に入る前にまずはパーツ「C-19」に歪みや変形がないか確かめてください。

もしもこのパーツに歪みや変形があれば、お買い上げ店か、または直接造形村ボークス SWSアフターサービス係までお問い合わせくださいね。症状を確認させていただいたうえで、歪みや変形のないパーツと交換など各種対応をさせていただきます。
 勿論、私に届いた物に歪みや変形はなかったのですが、プラスチックは熱変形で微妙に歪みや変形が出ることがあります。まず工作の前にそれを確かめてください。

さて、まずはコックピットのフロアへ各操縦装置の配置、接着工作から入ってゆきます。
ここで注意なのは、面倒でもこの説明書をよく読んでいただきたいということです。
ベテランモデラーにはあまりにも常識的に過ぎて、つまらなく感じるかもしれませんが実機の資料などを参照しつつ、このキットではどこまでの再現がなされているのかを確かめるのもSWSキットの楽しみの一つと心得て、じっくりと読み込んで各部品の表現やその配置を確認してください。
 クルトタンク博士の航空機設計の思想がいかに素晴らしいものであったかが実感として迫ってきますぞ。

▋現用戦闘機のコックピット設計にも多大な影響を与えたという、まさにドイツ精神の塊のようなFw 190のコックピットがこれらのパーツから見事に再現されますぞ。
 またそれこそ数多あるFw 190のプラスチックモデルなど、どれもこれも同じような物。
とお思いのモデラーにこそ、ぜひSWS32のこのFw 190をベースに未だかつて見たこともないような作品に仕上げて欲しいものです。期待していますぞ!


胴体の側面パーツを治具に見立てて正確に美しく!!
このキットで最も注意を必要とする重要な工作がここです!

▋ほら! この通りまるで現用機のようですよね。だだっ広くもなく、狭すぎるでもなく、しかも十分な防御鋼板で守られたコックピットの設えに、タンク博士の非凡さが光ります。
 また例によって計器盤には三通りの完成方法があります。いずれもその仕上がりに遜色はありませんが、A-12パーツにデカールを貼り付ける方法では、計器部分の下地をあらかじめ白色で塗装しておくと見栄えがします。ただ、いずれも虫眼鏡が必要になること請け合いという精密な塗装が要求されます。みなさん頑張って!

▋さあ、ここですぞ!
このキットで最も気合を入れて臨まなければならないのは胴体の基準となるコックピットの正確な工作です。特に「D-19」と「D-14」そして「D-36」(下図も参照ください)
 それがこれから差し掛かるエンジンの懸架から、胴体の全体、そして主翼の取り付け工作まで、最終の完成度に決定的な鍵を握っています。
 ここでの僅かコンマ数ミリの誤差があなたを失望させるか、はたまた満面の笑顔で手を打っていただけるかの境目となります。 私のばやい? いやはや早とちりで「D-19」と「D-36」の段差有りの接着工作を2回も失敗をしてしまいました(涙)
バスタブ形式に作られたコックピットを左右の胴体パーツで挟み込んで完成。という従来のキットに多かった工作方法ならそこまで気を使うこともないのですが、SWS Fw 190はプラスチックで本物のような構造を再現するという次元の違うことを目指してきたキットですから、ここでもできる限り本物に近いパーツ構成になっています。
 故に胴体や翼の外板と、内部構造や骨格との間の遊びがほとんどなく、正確な完成にはとてもシビアな工作が要求されるというわけです。(下図コックピット工作を参照ください)

▋そんなわけでこのキットではこのような説明書の補足版の登場となりました。
要点は三つ。

1. エンジンマウントの工作注意点 …… 先に載せるか、後で載せるか。
2. コックピット工作の注意点 …… 胴体パーツを治具に見立てて工作。
3. ランディングギア工作の注意点 …… 角度と強度と固定に注意。

特に2のコックピット工作での注意点は、キット付属の説明書の通り、コックピット単体だけで工作を完成してしまわず、必ず工程の一つ一つで右胴体パーツ「A-1」と左胴体パーツ「A-13」そして胴体下部「A-24」を「治具」に見立てて、胴体パーツとの整合性を確認し、寸分違わぬ完成をさせることです。私は慌てて少しずれたコックピットを完全に完成させてしまい、後でにっちもさっちもゆかずに立ち往生してしまいました。
そうなんです。
 完全に接着が固定してから全体の寸法が違うなどとなれば、あちこちで外板パーツに隙間が出てしまいます。で、泣きながら引き剥がしに苦労の汗を流すという毎日ですな。(苦笑)

▋よたよたとここまできたのですが……。(やや苦笑)
ご覧の通りもうあちこちが隙間だらけ、その上左右胴体後部の突起部分は欠損させるは、細いラダーリンクは何度も折りまくり、何度も接着してはまた破損を繰り返し……。
 挙げ句の果てには、「そうだここは最後に接着すればよかった!」などとまるで大発見をしたみたいになるわで、アドバイスをもらおうと名手「小林直樹」さんの工房に何度足を運んだことやら。
 ちなみに私の部屋はボークス本社6階、小林さんの工房は4階ですから、その慌ただしいこと。でもさすがは小林さん。まだキットが試作中で説明書のない段階から難なくこれらの部分をすらすらと組み立てていたのだそうです。(脱帽~~)

▋ほら、この写真のMG 17架台(Q-10)と下面計器盤(F-34)、キャノピーレール(D-36)が交差する部分も、あちこちで少しずつ寸法が狂っていたために微妙に合致していませんね。胴体パーツに隠れてしまうとはいえ、まさにとほほの現実です。
でも、さすがはSWSキットです。パーツ精度の高さや巧みな部品構成により、少々のミス(?)でも最終的にはそれなりの達成感に安堵の気持ちになれます。
ありがとう~~~造形村開発チームのみんな! 私ももう少し腕を磨きます。

▋ともあれやっとここまできました。
燃料タンクもほらこのとおり、英国王立博物館にて取材の通り、本物そっくりの出来栄えです。
コックピットフロアの下部のディティール再現にも抜かり無し。完成後は見えなくなってもあなたの心の中にはこの造形がくっきりと残ってゆきますぞ。

▋ともあれ、ここまでくればもう後は楽勝です。(ほんとかなぁ~?心配じゃ)
ラダーコントロールやエレベーターコントロールリンクなどは真鍮線などに置き換えればさらに実感度は増します。
 何度も強調しますが、コックピットの組み立て工作は単体でそれだけを組み立ててしまわず必ず左右の胴体を「治具」と見立てて、正確に胴体に組み込めるよう細心の注意を払って組み立てることが肝心です。
 次回のこのブログでは、コックピットを胴体に装着という工程に入りますが、このキットを手にされるあなたなら、まずは第一番に説明書の24ページに目を通していただき、本ブログで私が強調していたことを確かめてくださいね。
 日本の諺に「石橋をたたいて渡る」とか、「論より証拠」というものがあります。

▋一応、全体の組み立て工作が終了したSWS Fw 190 A-4 の勇姿です。
連続して3機のSWSキットを組み立ててみました。強力な空冷エンジンに重武装された実に「男前」のフォッケウルフ Fw 190です。
 もしもドイツ空軍がこの戦闘機一本に絞って大量生産と弛まなき改良進化をさせ続けていたら……。
 そして真っ直ぐに「Me 262」に力を入れていたら……。ですね。


さあ!  次回はいよいよ胴体の工作に突入です!

 このキットの最も楽しく、そして最も難関であるエンジンに続きコックピットの工作が終了しました。
 いよいよ次回からはFw 190の胴体の工作に入ってゆきましょう。

ここまでエンジンとコックピットが正確に仕上がっていれば、胴体への装備はスムーズかつ気持ち良く進んでゆきます。

 そして注目の尾輪のメカニズムも実に見事に再現されており、まるで実機を組み立てるかのような工作を楽しむことができますぞ。

どうぞ次回をお楽しみに!!

造形村 代表 重田英行


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